早く、脱毛したくて、やみくもに脱毛の回数を増やしても
脱毛の効果が上がらないばかりか、皮膚のトラブルを招くだけです。
毛の一生
毛周期（ヘアサイクル）を正しくを理解していますか？
毛の一生には3つの周期がある
毛根部分でつくり出された毛は、毛穴の中を伸びきて
一定期間をすぎると脱落し、生え変わります｡
これを毛周期、 英語でヘアサイクルといいます｡
この生え変わりには
成長期、退行期､休止期という3つの周期があります｡
毎日伸びる成長期
成長期には毛母で細胞分裂が盛んに起こり
毛は毎日伸びていきます｡
退行期に入ると細胞分裂は停止し
毛穴も収縮していきます｡
休止期では毛穴は約3分の1に短縮し
毛はやがて脱落していきます｡
しばらく毛根は活動を停止し
再び成長期に戻って、毛が伸び始めます。
毛髪は1本1本ヘアサイクルのタイミングが異なります。
そのため、脱毛の時期がずれるので
通常は一度にまとめて毛が抜けることはありません。
ワキ毛を伸ばしっぱなしにしても髪の毛のように長くならないのは？
ワキ毛の伸びる速さが
髪の毛より遅いからではありませんよ。
ワキ毛と髪の毛ではヘアサイクルの長さが違うので
伸ばしっぱなしにしても、同じように長くならないんです。
成長期の期間の長さは
毛が生えている場所によって違うので
伸びる限界の長さも違ってきます｡
たとえば、髪の毛の場合
成長期は、平均して4～6年の期間になります。
わきの毛の場合
成長期の長さが約2～3か月なので
2～3か月分くらいしか毛は伸びていきません｡
腕や脚の毛の成長期は3～6か月くらいで
まつ毛の成長期は1か月くらいです｡
でもサイクルが短い分
毛がよく抜けているという事ですね。
このように、成長期が終わると毛は
伸びなくなり、抜けていきます。
そのため､伸ばしっぱなしにしても
成長期に伸びる長さまでしか伸びません｡
髪の毛の場合、平均して成長期が4～6年ほどあります。
女性では伸ばしっぱなしにすると
身長と同じくらい伸びるといわれています｡
男性のほうが多少、成長期が短いので
どんなに伸ばしても腰くらいまでしか伸びません｡
女性の成長期が長いのは
女性ホルモンが成長期を維持する作用があるからです。
頭髪の伸びる長さは
1日に0.3～0.5mm、1ヵ月に約1.2cm、1年で15cmです。
均等に髪の毛が伸びるとすると
腰のあたりの90cmになるのが6年
身長と同じくらいになるのは、10年位かかる計算です。
この計算からすると
成長期の平均が4～6年というのは
男性の場合のような気がしますね。
短い退行期
退行期になり、成長期を終えた毛は
毛乳頭での細胞分裂が停止して、それ以上伸びなくなります。
さらに、毛の下の方が退縮して
毛は上に移動していきます。
退行期の期間は、髪の毛で2～3週間くらいです。
比較的長い休止期
退行期終わると、毛は休眠に入ります。
この時期の毛根は、棍棒状になり、自然に脱落します。
病的な抜け毛は、成長期の毛が抜けるので
根元は棍棒状ではなく、太い毛根がついています。
抜け毛が気になる人は、抜けた毛の根元を見て
病的かどうかを判断してください。
休止期の長さは、髪では数か月といわれます｡
毛周期は年齢とともに変わる
成長期、退行期、休止期とも
その長さにはかなり個人差があり
また、年齢でも変わってきます｡
年をとると眉毛や鼻毛の毛周期が
長くなるため、毛が長くなります｡
全身の毛は、絶えずこの毛周期をくり返しています。
今見えている毛は、成長期のものもあれば
退行期に移行しているものもあり
また、休止期に入って抜けかかっているものもあります｡
ブラッシングなどのときに自然に抜けるのは
休止期に入った毛です｡
休止期に、1日に自然に抜ける頭髪は、50～100本です。
頭髪の本数は、成人で10万～12万本ですから、
全体の0.05～0.1％の毛が1日に抜けていることになります。
また､毛が抜けたあとの休止期の毛根が
皮膚の下にあるので、実際の毛根の数は
表面に見えている毛の数よりたくさん存在します。
まとめ
- 髪の一生は成長期、退行期､休止期という3つの周期がある｡
一本一本の毛は、周期のタイミングがずれている。 - 成長期の長さは、毛が生えている場所によって違うので
伸びる長さの限界も違う。 - 年をとると眉毛が長くなるのは、年齢で毛周期が長くなるから。
早く、脱毛したくて、脱毛の回数を増やしても
脱毛の効果がないばかりか、皮膚のトラブルを招くだけです。
毛周期（ヘアサイクル）と皮膚の性質を理解して
正しい脱毛をしましょう。
