最近こんな風に感じませんか?
- 立ち上がるのが億劫になった。
- 立ち上がるときにふらつくようになった。
- 小さな段差でつまずくことが増えた。
- 歩くとすぐに疲れるようになった。
- 歩く速度が遅くなった。
10年前に比べて、脚の筋肉が弱くなったなあと、感じる人は少なくないのではないでしょうか?
脚の筋肉が弱くなったと感じる原因は、脚の筋肉量の減少なんです。
人の体の筋肉は、年齢とともに減少していくんです。
男性は脚の筋肉の減少に要注意!
2010年3月25日発行の日本老年医学会の学会誌に、「日本人筋肉量の加齢による特徴」という研究報告が載っています。
平成19年5月から平成20年9月にかけて、18歳以上の日本人4,003人(男性1,702人,女性2,301人)を対象者に,上肢,下肢,体幹部および全身筋肉量の測定が行われました。
下のグラフは、下肢(脚)の筋肉量が年齢がすすむにつれて減少していくことを示しています。
出典:「日本人筋肉量の加齢による特徴」 谷本芳美 他 大阪医科大学衛生学・公衆衛生学教室
日本老年医学会雑誌 2010;47巻:No.1 p52―p57 2010年03月25日発行
測定結果から筋肉量と年齢の関係を2 次曲線回帰式で表したのが、グラフ中の2本の曲線でです。
上の曲線が男性、下の曲線が女性の筋肉量と年齢の関係を表している。
測定結果から次のようなことがわかった。
- 男女とも筋肉量が減少する右肩下がりの傾向は年齢とともに加速する。
- 年齢とともに筋肉量が減少する量は男性の方が情勢より大きい。
- 脚の筋肉量は男女とも20 歳代から大きな傾きで減少する。
80歳の足の筋肉量は20歳時より30%減少する
男女の脚の筋肉量は、次の回帰式で表される。
男性:下肢筋肉量= 0.025(年齢)- 0.0013(年齢2)+ 20.79
R2= 0.491(p< 0.001)
女性:下肢筋肉量=- 0.027(年齢)- 0.0004(年齢2)+ 15.08
R2= 0.553(p< 0.001)
この式から20歳と80歳の時の筋肉量を比較し似たのが下の表です。
下肢(脚)の筋肉量は男女とも、80歳になると20歳の時より約30%減少するという結果でした。
上肢(腕)は、女性はほとんど変わらず、男性は16%の減少、体幹部の筋肉量は、男性で5.7%の減少でした。
結局、脚の筋肉の減少が男女とも最も大きく、次が男性の腕の筋肉が目立という結果でした。
この測定・調査結果から、加齢とともに注意しなければいけないのは、脚の件肉の減少であることがわかります。
年齢別の推定下肢筋肉量と20歳との筋肉量の比較
回帰式を使って、各年齢ごとの筋肉量と20歳の時からどれくらい筋肉量が減少するのか計算してみました。
この表は、若くて力も強かった20歳のころと各年齢の筋肉量を比較しています。
「若いときは、こんなもんじゃなかった」と思う時に相当します。
脚の筋肉量を10年前と比較すると!
では、10年前に比べてどれくらい筋肉が減るのか計算してみます。
「10年前は、もうちょっとましだったはずなのに」と実感するときの筋肉の比較です。
男女とも10年ごとに、筋肉の減少率が増えています。
特に男性の筋肉の減少率の変化が大きいことが、改めてわかります。
60代、70代、80代と年が重なるにつれて、躓いたり、転んだりしやすくなるのは、脚の筋肉量が減ってきているためでした。
40代になったら、老後に備えて、脚の筋肉を失わない対策が必要です。
まとめ
冒頭に出したいろいろな症状
- 立ち上がるのが億劫になった。
- 立ち上がるときにふらつくようになった。
- 小さな段差でつまずくことが増えた。
- 歩くとすぐに疲れるようになった。
- 歩く速度が遅くなった。
これは、気のせいではなく、年齢とともに加速度的に進む筋肉の減少によるためであると言えます。
元気に70代、80代を過ごすために、脚の筋肉量を減らさない対策が、絶対に必要になります。
では、減ってしまった筋肉は増やせるのでしょうか?
じつは増やせるんです!!!